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3.28 晩秋の伊勢・大和路を歩く(2016年)
     (その2).奈良の古刹を巡る・・(1)
        (長谷寺−−二上山−−祐泉寺−−當麻寺 を辿る)



1.概要
晩秋の11月下旬、昔の同期の仲間と伊勢と奈良・大和路を歩いてきました。一昨年、昨年に続く晩秋の大和路巡りは四年目です。今年は20年ぶりに式年遷宮した伊勢神宮と式年造替した春日大社を周り、綿々として1300年余繰り返されてきた歴史に思いを馳せる旅でもあります。また奈良はまさに歴史の宝庫であり、路傍にはあちこちに社寺や遺跡、古墳が点在しております。我が国のルーツに思いをはせた旅が堪能できます。そこで昨年と同様に晩秋の風情をゆっくり味わいながら社寺・古墳巡りをすると言うことで、出来るだけ徒歩で伊勢・大和路巡りをしました。


第2日目は奈良盆地東端山麓の秋彩に包まれる初瀬の古刹・長谷寺、大阪難破と大和盆地とを結ぶ日本最古の国道・竹内街道沿いの名山・二上山、その山麓の名刹・當麻寺を廻ってきました。

2.日時・コース
    ・日時:2016年11月22日
    ・場所:長谷寺−−橿原神宮−−竹内峠−−二上山−−祐泉寺−−當麻寺 を巡る
              

     *下へスクロールすると写真がご覧になれます 

1.長谷寺
初瀬山の南麓、山岳信仰の神々が棲む霊山の地に天武天皇の命を受けた道明が三重の塔を設けたのがこの地への発祥と伝えられている。その後聖武天皇の時代に十一面観世音菩薩を祀り、西国三十三所観音霊場巡拝の開祖としている。現在は春の牡丹・桜、秋の紅葉が美しく多くの参拝者が訪れている。
写真1:  秋彩に包まれる境内
写真2:  秋彩に包まれる境内(2)
写真3:  廻廊も秋の彩り
399段の長い廻廊をぬけると本堂
写真4:  本堂(国宝)
内陣には10mを越す我が国最大の十一面観音立像(重文)が安置されている。過去に7回も罹災し、現存像は天文7年(1538年)の再興像です。おみ足に触れるとご利益があるとして昔から多くの人々の「初瀬もうで」として信仰を集めています。
写真5:  隠国の里・初瀬に広がる境内
山内に多くの伽藍が展開
写真6:  本堂舞台より眺める五重塔
徳川家光建立の本堂は舞台造りです。天武天皇の時代に現在の五重塔の地に三重多宝塔が建てられていたと伝えられている。
写真7:  秋彩輝く本堂外陣
写真8:  秋彩輝く本堂外陣(2)
写真9:  秋彩に包まれる五重塔
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2.二上山(にじょうざん、古くはふたがみやま)
奈良盆地から見える名山として奈良三山、三輪山、二上山があります。今回、古代より大和盆地と難破を結んでいた最古の国道・竹内街道沿いにそびえる二上山の雌岳に登ってきました。古来大和では二上山は落陽を象徴する山であり、その東麓は行者修行の場であり、祈りの場に相応しいとして當麻寺などが置かれています。二上山は奈良と大阪の県境で山頂より奈良盆地と大阪難波・堺方面が見渡せます。雄岳山頂には悲劇の皇子・大津皇子の墓があります。関西百名山です
写真10:  奈良盆地東側の檜原神社より望む二上山
3年前訪れたとき撮った写真です。ラクダのような特徴のある山容です。二上山の雄岳517m、雌岳474mで、この山容の間に落陽する姿を古代大和の人々は西方極楽浄土を思い浮かべ霊山として崇めていました。山の谷間(現在の馬の背)に落陽するのは3月と8月の11日頃のようです。
写真11:  檜原神社の説明板
写真12:  二上山雌岳山頂474m)
山頂には日時計が設置されており、やや殺風景です。三等三角点があります
写真13: 雌岳山頂より奈良盆地を望む
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3.祐泉寺
比叡山延暦寺の末寺で創建は986年と古い。當麻寺口から二上山に登る丁度登山口にある山荘風のお寺です。紅葉の隠れた名所です
写真14: 祐泉寺門前
二上山より下り終えると祐泉寺です。民家の山荘風のお寺です。ここに来ると薄暗い杉の登山道から一変し、色鮮やかなモミジの紅葉に包まれます。
写真15: 色鮮やかな遊泉寺界隈
写真16:  色鮮やかな遊泉寺界隈(2)
写真17:  下山道路傍の石仏群
写真18:  奇妙な形の傘堂(唐傘堂)
1674年に藩主の菩提を弔うために建てられたが、その後安楽往生を願う庶民信仰の対象になり、現在でも地域の人たちに大切に祀られています。
写真19: 二上山夕姿
登山道から振り返ると夕日に染まる二上山があります。
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4.當麻寺
二上山東麓、当麻町にある名刹です。創建は聖徳太子の弟・麻呂子王が大阪河内に建てた寺を孫の當麻国光が現在地に681年移し、この地方の豪族當麻氏の氏寺とされてきました。特に境内に、金堂、講堂、本堂、東西の三重の塔など古代のまま独特の配置形態で残っており貴重な名刹です。また伝説的な中将姫が入信し数々の逸話を残した寺でもあります。
写真20:   堂々とした仁王門
写真21:  仁王門の像  
写真22:  當麻寺説明板
写真23:   本堂(国宝)
本堂前には中将姫立像が設置されている。蔓茶羅堂には中将姫自作と伝えられる「中将姫二十九才像」が安置されています。この小さな像の美しさに魅了される人が多い。今回は時間が遅く残念ながら拝観できませんでした。
写真24:  日本最古の梵鐘(国宝)
背景に二上山が遠望できる
写真25:  三重塔(西塔)・・国宝
當麻寺には古代の建築のまま東西両塔が残っており、非常に珍しく貴重です



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