4. 台湾写真紀行(1)
   
 −−台北中心部の「忠烈祠」と「中正記念堂」を訪ねる−−


1.日 時: 2011年11月16日〜18日

2.場 所: 
忠烈祠:台北市北安路・・台北の北部
        ・中正記念堂:台北市中山南路・・台湾の総督府や官庁など行政の中心部がこの付近にある

3.概 要
私の台湾訪問は5年ぶりで今回で4度目です。今まではビジネスで訪れており、ゆっくり回ることができませんでした。近年電子機器産業の躍進がめざましい台湾、そのダイナミズムに少しでも触れたく台北市内をカメラ片手に気ままに回りました。
台北を訪れる人々の多くが見学する「中正記念堂」と「忠烈祠」、私も昔の日本統治時代を想い、また戦後台湾の祖・蒋介石初代総統を偲び訪れました。



   *下へスクロールすると写真がご覧になれます

(1).忠烈祠
  革命や抗日戦などで戦死した約33万人の将兵の霊を祭った祭祀場。1969年に建てられており、その本殿は北京・紫禁城の大和殿を模しており、重厚な雰囲気があります。この門前で警護にあたる衛兵(儀仗兵)は陸海空3軍が交代で務めており、その凛々しい姿は有名です。
 なおこの忠烈祠のある場所は、日本統治時代には台湾護国寺(靖国神社の台湾版)があった場所です。台湾の多くの人々が日本兵として戦地に行き多くの戦死者を出しており、それらの兵士を祀る寺であった。またこの忠烈祠の近くにある台湾最大のホテル・圓山ホテルの場所は日本統治時代には台湾神社(伊勢神宮をモデルにした官幤大社)があった場所です。この一帯が当時日本の精神のよりどころであったようです。

写真1:    重厚な三殿作りの前門
写真2:  前門をくぐると重厚な本殿
写真3:   本殿へのアプローチ
国旗「青天白日満地紅」が本殿へ導いてくれる
写真4:  前殿
写真5:  重厚壮大な本殿
北京紫禁城の大和殿を模した本殿はまさに壮大・重厚・豪華な作りである
写真6:   本殿を警護する衛兵
写真7: 微動だにしない凛々しい衛兵
海軍の白制服と赤の対比が美しい
写真8:   本殿を取り巻く回廊
歴史上の各事変の説明図と武勲をあげた将兵像が並ぶ
写真9:   七七事変の説明版
 日本が係わった盧溝橋事件(七七事変)の経過が簡潔に説明されている
写真10:  武漢会戦の将軍(兵)像
写真11:   前殿から望む本殿正面
美しい幾何学的構図を示す

(2).中正記念堂
  台北中心地の約25万uの広大な敷地に建つ中正記念堂、故蒋介石初代総統を偲んで1980年に建てられた。壮大な門をくぐると正面に中正記念堂がそびえ、前広場(自由広場)の左右にこれも大きな国立劇場と国立音楽堂があります。この広場は多くの行事に使われ広く台北市民に親しまれているようでです。今回の訪問時には広場に前衛的近代アートのオブジェが陳列されていました。
記念堂の正面には3軍の衛兵(儀仗兵)が警護にあたっており、今回その凛々しい儀仗兵交代式をカメラに収めることができました。
なおこの広大な敷地は日本統治時代には歩兵第一連隊の軍用地として使用されていたようです。

写真12:   壮大な門
中国の伝統的な多重屋根の門、中央に自由広場と記されている
写真13:   国立劇場
写真14:   国立音楽堂
写真15:   中正記念堂前の広大な広場
両側の花壇は中国の伝統的図柄でデザインされている
中央広場には前衛芸術家の大小さまざまのオブジェが陳列されていた
写真16: 国家劇場とオブジェ
オブジェを入れた遊び写真を撮ってみました
写真17: 記念堂とオブジェ
写真18:記念堂とオブジェ(2)
写真19: 中正記念堂
この記念堂は建物の各部分がさまざまなテーマ(イデオロギー)を持って設計されている。方向:中国大陸方向、八角形の屋根:八徳、人の字が重なって天人合一、89段の階段:蒋介石の享年89才、三層の階段:三民主義などなどである。
訪問前に調べて行くと一層楽しみが倍加すると思います。

写真20:記念堂正面に鎮座する蒋介石像
彼の政治理念であり、三民主義に通ずる「倫理、民主、科学」の標語が背後に掲げられている
写真21: 天井に埋め込まれている「青天白日」の国章
「青天白日」は蒋介石が所属した国民党の党章でもあり、この空間に彼のバックボーンを凝縮させている
写真22:   儀仗兵交代式の様子(1)
今回は空軍儀仗兵であった
写真23: 儀仗兵交代式の様子(2)
写真24:   儀仗兵交代式の様子(3)
全員が一糸乱れぬパフォーマンスを演じ、その訓練の高さを感じさせる
写真25: 儀仗兵交代式の様子(4)
選ばれたエリート兵士で心身ともに鍛錬の高さを感じさせる好青年である
写真26: 儀仗兵交代式の様子(5)
写真27: 儀仗兵交代式の様子(6)
儀仗兵のヘルメットに記念堂の空間を凝縮させたスナップ写真です

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(3).写真余録 
 街中スナップ



写真28: 台湾大学病院前の街路(仁愛路一段)
中正記念堂前からの東街路、椰子など南国らしい街路樹が植えられた美しい落ち着いた街路である
写真29: 台北101タワ-遠望(MRT大安駅付近より)
湿度の高いむーとする気候でタワーも霞んで見える
(タワーの高さ:509.2m、施工:熊谷組などのJV、エレベータ:東芝・・・数々の日本の技術が取り入れられている)

  
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